WTSHNN

Where The Streets Have No Name

SYS Monolog  




戦前から、祖母は小さな洋品店を営んでいた。

小学生だった母が暮れの繁忙期、大人に混じって店を手伝った話を

子供のころ何度か聞かされたのを覚えている。

店はとうの昔にたたんでしまい、

代わる代わるあれやこれや派手な居抜きに身を任せながらも

なにかの理由で店の小さなシャッターだけは外されず今も遺っている。

東横渋谷駅も地下に潜ってしまい、渋谷からは足が遠くなってしまったが

ほんのたまに109の横断歩道の前に立つと、

あの閉まったシャッターを眺めながら

何十年も前に他界した祖母の記憶をたどる自分がいる。


スポンサーサイト



SYS05 


SYS04 


SYS03 


SYS02 


SYS01 


SMW02